善慧寺

貞応2年（1223年）、関東へ向かう途中の西山善慧によって創建される。その後に宇津宮城主であった実信房蓮生法印が法灯を受け、文明年間に円海上人（美濃加納城主俗弟）が3世となる。この3代の間には、第102代後花園天皇からは御親筆をもって勅願所たる綸旨と、浄土西山嫡流の額面を賜り、続いて第103代後土御門天皇は、常柴袍と常香衣の住職代々着用の綸（1472）を賜わるなど隆盛を極めた。後花園天皇在位中の享徳年中（1452年 - 1454年）には、美濃国守護代斉藤氏の帰依を受けることとなり、七堂伽藍をはじめ末寺80坊も揃い、天下7檀林（学問寺）の随一と云われた程の名刹となった。
しかしその後、永禄年間に起きた火災や、風雷の災禍を受け衰退していく。寛文5年（1665年）には領主稲葉右近によって広大な寺有地を没収され、一部は百姓へ下賜され残りは大仙寺に寄付されたため大仙寺が境内西方へ移る。これに対して18世・貞山和尚が交渉するも解決しなかった。34年後に尾張徳川家からの寄進を受け寺勢が回復する。この後も檀信徒の支援により維持され、明治31年には現在の堂宇の再建が完了した。
八百津地区にあった同宗派の寿正院が廃寺となったため、その本尊・阿弥陀如来を所蔵している。