えびさわいなりじんじゃ
福島県南相馬市小高区蛯沢広畑175
蛯澤稲荷神社は、古くは相馬昌胤をはじめ代々の相馬中村藩主から厚く鳥仰されていた神社である。来歴は明らかではないが、もとは原町区石神字大原にあり、冠嶺明神と呼ばれていたという。建武年間(1334~37..
蛯澤稲荷神社は、古くは相馬昌胤をはじめ代々の相馬中村藩主から厚く鳥仰されていた神社である。来歴は明らかではないが、もとは原町区石神字大原にあり、冠嶺明神と呼ばれていたという。建武年間(1334~37)、戦火を逃れて原町区より小高区蛯沢へ移り、その後、双葉郡川内村、楢葉町などを経て、再び蛯沢へ戻ったと伝えられている。 当社に祀られている倉稲魂神は、五穀をはじめ農牧・濃業・養蚕などあらゆる産業の守護神である。当社は特に漁業関係の参拝者が多く、大小のイカリや和船の模型2隻(江戸時代の大型荷船、明治時代の鰹船)など漁業に関する奉納物も多い。 また、明治7(1874)年、大漁祈願として絵馬「地引大漁図」が奉納された。これは、地引縄漁や魚の取引の様子など浦尻の浜と思われる漁村が細やかに描かれており、当時の漁民の生活を知る貴重な資料として、平成8(1996)年、2隻の「和船模型」とともに福島県の重要有形民俗文化財に指定されている。 当社の代表的な祭りは、旧暦2月初年に行われる初午祭である。 この祭りは、「ござれ初午えびさわ稲荷、帰り土産に風車」と歌われるように、参拝者は縁起物とされる風車を持ち帰り、苗代や神棚に飾って開運などを願っている。 (境内由緒書より)
倉稲魂神
旧県社