旧東小松川村の大江川地区に伝承されている水神講です。
水神は水を司る神の少将で、豊かな水の恵みや水上交通の安全を祈願しました。江戸川区は低湿地にあり、洪水にも悩まされていたため、洪水除けの神としても深く信仰されていたようです。当地区では水神社の多くが、小松川境川から各集落の水田にひかれた用水の入口辺りに祀られていました。
水神の祭礼は田植え後の鎮守の祭りで、かつては近くの広場に演芸や屋台がでるなど、多くの人たちでにぎわいました。
旧小松川村には、大江川、上の庭、新道、中の庭、入の庭、渡し場、品清の集落があり、それぞれの水神社が祀られていました。大江川、渡し場、入の庭には水神講が組織され現在も残っています。毎年六月二十四・二十五日の祭礼日に行事を行なっています。二十四日の宵宮には葛西囃子が奉納されます。
この講には、文久二年(1826)六月の箱書きをもつ神名掛け軸が伝わっています。
平成二十九年三月 江戸川区教育委員会