國津神社 (布生)

國津神社が鎮座されるこの布生の地は、かつての伊勢の神宮領である六箇山に属し、お伊勢さんに布を献上し、布が生まれるところ布生という地名になった。承平4年(934)の文言に｢布乃布｣とある。また、長承3年(1134)東大寺文言に　｢國津祠｣とあり、平安時代末期にはすでにこの地に鎮座され祭事を執り行っていたことがわかる。天正10(1583)年伊賀の乱により社殿(古記録)焼失するも慶長17(1612)年には造営し社殿の再興がうかがえる。明治４年村社列格、明治39年には神饌幣帛料供進指定社となる。明治42年村内６社を合祀し、平成19年には神社合祀百年記念奉祝大祭を斎行した。当社の祭典は御鎮座以来五穀豊穣、国家安泰をはじめ皇室弥栄、地域発展を祈願している。また、当神社には年預と当人の制度がある。年預は１年間神社の清掃奉仕と３月の御供まきの絣の奉製を上出区、下出区合同で屋並にて２件ずつ交代で行う。当人は例祭の約20品目もの神饌の調達調理と集議所での氏子の接待を上出区、下出区が隔年で屋並にて４件ずつ交代で行う。
＜特殊神事＞
八朔祭
八朔祭は旧暦の８月の朔日（ついたち）に斎行される神事。この頃、稲は結実期を迎え早稲が成熟し始める非常に大切な時期でその早稲を刈り取り神前にお供えして雨風等の災害等に遭うこと無くさらなる豊穣を祈る。
八朔祭奉納子供相撲
　八朔祭祭典の後にこの村の氏子、外氏子（氏子親戚等）　の子供たちを集め奉納相撲が執り行われる。氏子総代や宮役協力のもと準備は１ケ月前から始まる。過疎地域であるため毎年だいたい生後数か月～小学校６年生までの男女１０名位が参加する。神主が土俵、行司、子供力士をお清めし、いよいよ相撲大会が始まる。まずは歳の近い子供同士が対戦し、勝敗に関係なく祝儀を授与する。次に３人抜き、５人抜きになる。孫の応援に駆けつけたじいさんばあさんや両親、村人などで境内はどっと盛り上がる。盛り上がれば盛り上がるほどその年は健作になるとされている。行司が見計らい優勝決定戦を行い、優勝者には祭礼時に神前に供えた特大の御幣（早稲稲穂の付いたもの）が授与される。この日はいつも静かな境内も賑わう。