村國真墨田神社

美濃国一宮・南宮大社（不破郡垂井町）の主神・金山彦命と、尾張国一宮・真清田神社（愛知県一宮市）の主神・天火明命を祀ったことがはじまり。
後に、かつてこの地を支配した地方豪族村国氏のうち672年に起こった壬申の乱の際に大海人皇子（後の天武天皇）に味方して功績をあげた村国男依を祭神として合祀した。古くから鵜沼の地の産土神として里人の崇敬を集め、社名は十世紀初頭の法典・延喜式の中の一巻である「神名帳」の中にも「村国大明神」の名で見られる。
かつての神社は現在の場所から数百メートル南の木曽川ぞいに有ったと伝えられ、現在その地は御旅所となっている。
戦国時代になると、神社は当時近辺を支配した大沢氏一族の守護神となった。このときまで神社は大沢氏の居城・宇留摩（うるま）城（鵜沼城）の外堀外部に位置したが、永禄10年（1567年）に美濃へ侵攻してきた織田信長によって宇留摩城が落城し大沢氏が追われ、鵜沼地区が織田氏支配下となると、現在の鵜沼南町郷倉に遷座した。
天正12年（1584年）には小牧長久手の戦いにおける羽柴秀吉の犬山攻めに際し、この地の有力者であった河村惣六が秀吉に協力して恩賞を挙げ、秀吉の許可を得て現在地に神社を遷宮した。
棟札によると、寛政4年（1792年）に社殿が新規造営された。
江戸時代までは村国大明神などと呼ばれ、河村惣六による移転後の棟札をみても「南宮大権現」または「南宮大明神村国宮」と呼ばれていた。安政2年（1855年）、社殿の新築とともに村国真墨田神社の名称となった。
大正5年には拝殿が新たに造営された。