宗休寺 (関善光寺)

織田信長の甲斐侵攻で武田氏が滅ぶと、家臣であった広瀬利広は武儀郡関村に逃げ延びた。住居は下九日町（現在の相生町）に構えたようである。
その後五世孫に当たる広瀬新太郎利忠は、先祖の遺言どおり「代々の霊を葬るための一寺建立」を発願し、延享2年（1745年）に日吉ヶ丘の地に小庵を建立した。
このころは幕府によって新寺創建が禁止されていたが、利忠は寺を建てたいと思い近隣の廃寺を調べた。このうち不破郡青墓村円興寺の末寺で山号・寺号のない竹本院が荒廃していたので、宝暦4年（1754年）年に許可を得、翌年3月から4年後の2月にかけて伽藍を建立し、妙祐山宗休寺竹本院とした。
寛政10年（1798年）、4月22日から28日にかけて信濃善光寺の出開帳（他の寺院などへ出張しての秘仏の開帳）が行われた。この縁で、大門町美濃屋の出で（俗姓は坂口）当時の善光寺別当であった等順から、6月に一光三尊仏が贈られた。これを祀るための如来堂が文政10年（1827年）3月に完成したのを契機として「関の善光寺」「関善光寺」と呼ばれるようになった。このとき妙祐山宗休寺と改められた。
天保5年（1836年）に大仏殿と本堂を結ぶ渡廊がつけられた。明治44年に屋根の葺き替え工事が行われた。昭和26年（1951年）にはそれまでの本堂を大仏殿とし、如来堂を本堂とした。
創建から現在まで天台宗であるが、一時期運営が難しくなった頃には単立となった。