高嶺神社

平安時代中頃、当時播磨国において流行病が猛威をふるい、敢え無く命を落とす人々は数知れずという状況が続いていた。そんなある時、毎夜天から光が降下し、有明山（古代の祭祀場の跡）から眩い光を放っていた。
人々は不思議がり、瑞兆と感じる人々は利益を受け、 凶事と捉えた人々は災いを受けた。
やがてそれらの光は『神田柳田森』に着いた。
この不思議な現象は直ちに国司から朝廷に伝えられ、時の円融天皇が調べさせたところ、『牛頭天王が痛気を払い、 民草を救わんとする兆し』との御託宣を得たため、天禄三年（972）天皇は勅命により牛頭天王を柳田森にお祀りした。
すると、蔓延していた流行病はたちまち治まり、平穏な生活を取り戻した。
そして、柳田森から高峯山の山頂へ遷座され『高峯山牛頭天王』と称し祀られるようになった。
時代は下り、足利尊氏が九州下向の際、当社に再起勝運を祈願し、達成したことにより社を再興し、七堂伽藍を配し五十石を寄進。
それ以後、赤松円心、 山名持豊、池田輝政、浅野三代など名だたる武将や大名の崇敬を厚く受け、近隣より『西の天王さん』と親しまれ、現在に至っている。